ちょうちんの若手職人として活躍する加納英香。若手ならではのアイディアと行動力でちょうちんの可能性を広げていく。
加納英香は、幅商店の長女として生まれた。「職住一体」の自宅兼ちょうちん工房で、祖父母・両親がちょうちんづくりをする様子をながめながら育った。だから始めたときにはすでに「ずっと見てきたので、(ちょうちんづくりの)手順は知っていた」と言う。その後、1年間は父母のもとで修業を積み、2年目から自ららんたん屋をスタートさせたのだ。
英香はすぐにちょうちん屋を継いだわけではなく、卒業後は「美濃和紙の里会館」で手漉き和紙体験の指導員をやっていた。だから、美濃和紙についても詳しく、職人とのネットワークもすでに持っていた。自分が美濃和紙をつかったちょうちんづくりを担うとは、その頃は考えていなかったというが、会館での経験がちょうちんづくりの糧となっている。「この紙は誰が漉いた紙か、答えることもできますよ」そう、彼女は紙を見て、職人も見わけられるほど美濃和紙に精通しているのだ。
幅商店のアンテナショップとしてらんたん屋を始めようと思ったのも彼女の発案だ。職人でありながら、美濃和紙、そしてちょうちんの将来を見据えている。「美濃和紙はよそにはないもの。興味を持ってもらいたい」英香は、親しみの湧く動物のポップなちょうちんを製作しながら対面販売を始めたのだ。すると、若い人や子供など幅商店にはこれまで訪れない客層も現れるようになった。「逆に、お客さんとお話していると、アイディアが湧きますね。いろんなことを教えてくださる」様々な人との出会いを原動力にして、英香は次々と新しいちょうちんを生み出している。